前回、 SAP® BusinessObjects の特徴と代表的なレポートである Web Intelligence の出力手順を紹介しました。
今回は、SAP BusinessObjects の全体像と SAP BusinessObjects DataServices (以下、DataServices) について紹介していきます。
SAP BusinessObjects のシステム全体像
SAP BusinessObjects は、大きく分けると下記 3つの層に区分けできます
- SAP や Microsoft Excel ファイルなどの基幹系システムのデータが格納されている業務データ(抽出元)
- 要件に沿うレポートを作成するために、データを最適化(結合、統合、編集 etc) / 管理する中間 DB 層
- レポートの作成をする BI 層(※ 前回記事記載の分析ツール群)
今回の記事では、中間DB層にある DataServices について説明をしていきます。
DataServices
DataServicesとは、データを取得元から取得先へと、変換・統合しながら格納できるETLツールです。
(ETLツール : Extract(抽出) Transform(変換) Load(ロード) するツールで、データを抽出・加工して、データターゲットに格納するためのツールです。)
膨大な業務データから直接BIレポートを出力しようとすると、業務データ層のサーバーに大きな負荷をかけるうえ、データの検索/取得に時間を要し出力表示が遅くなります。DataServices を用いることで、業務データ層への負荷を軽減し、BI レポートの表示時間が短縮されます。
元の業務データを更新することなく、各レポートの表示に最適な数値/書式/項目値に変換して出力するためにも必要なツールです。
DataServices で指定できるデータソースは、RDBMS のテーブル、多次元キューブ、Microsoft Excel などのフラットファイルなどがあり、多種多様なデータソースに対応できます。
DataServices のシステム構成
Job Server : 定義したジョブを実行するためのサーバー
Local Repository : オブジェクトの定義、ソース、ターゲットの定義を格納する場所
Central Repository : マルチユーザー開発をサポートするためのサーバー
Designer : 開発ツール
Administrator : ジョブのスケジュール/監視/実行、各サーバーの使用設定、ユーザー管理等を行うブラウザベースの管理ツール
DataServices の操作方法
操作 1:DataServices Designer を起動させ、「プロジェクト」及び「新規バッチジョブ」を作成する
操作 2:新規作成した「ジョブ」の「データフロー」を定義する
操作 3:新規作成した「ジョブ」を実行する
(Data SourceからData Targetに、定義した変換処理を経由してデータが格納される。)
ジョブの実行ログ画面が出現し、
「ジョブが正常に完了しました。」というメッセージが出れば正常に処理が完了した証です。
以上が、SAP® BusinessObjects の全体像と DataServices についての説明となります。
※ SAP 及び SAP ロゴ、SAP BusinesObjects、その他の SAP 製品は、ドイツ及びその他の国における SAP AG の商標または登録商標です。
※ Microsoft、MS、Windows、Windows Server、Excel、AccessおよびPowerPointは、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
※ Windows の正式名称は、Microsoft Windows Operating System です。
※ その他の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
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