GRANVALLEY

ブログBlog

企業のデータ戦略が5Gとエッジソリューションを支える

企業は常にサービス向上と顧客満足度を高めるために、顧客体験の向上に注力してきた。

近年、モノのインターネット(IoT)、スマートシティ、クルマの自動運転技術が本格化するにつれ、組織もこれらのテクノロジーを応用しながら、顧客の行動を把握し新たな価値提供をする必要性が高まっている。

今後、アナリティクス分野では、5Gとエッジソリューションがデータ活用に影響を及ぼすと考えられており、これらの活用により現代の消費者の需要を発掘する重要な要素と言える。

5g-and-edge

5Gとエッジ。一体何なのか?

5Gは、登場以来驚異的な注目を集めている。低遅延、高効率、より速いデータ速度がその理由である。3Gや4Gがデータ速度の高速化と通信の安定性に重点を置いていたのに対し、5Gは低遅延、アクセシビリティの向上、リソースへのカバレッジの確保に重点を置いている。このことから、ネットワークエッジの展開に自然と結びついていく。

エッジソリューションは、局所的なエリアにより高速な接続性を確保し、組織内での分散インフラ上にアプリケーションを実行する柔軟性を提供します。

エッジソリューションの導入は、企業が消費者との距離を縮める機会を提供し、リクエストへの迅速な対応、サービスの柔軟性を提供する。そして、これらの体験はデータによって推進されるでしょう。

ガートナー社の推計によると、2025年までに企業データの75%がエッジ・サイトで処理されるようになり、最大のエッジ・アプリケーションの一つが5Gになると予想されている。

エッジソリューション導入は新たなチャレンジなのか?

エッジデータ・センターは、分散化され、必要に応じて柔軟なフットプリントを提供する。そのためクラウドや従来のデータ・センターと同様に、今後重要な役割を担うようになると期待されている。

しかしながら、5Gとエッジの採用は予想よりも遅れているのが現状だ。
この遅れている要因について考察し、今後組織が考慮すべき重要な点を明確にする

  • 多くの企業は、エッジベースのアプリケーション開発に関連するテクノロジーは複雑で、分散コンピューティングのためにリファクタリングが必要だと考えている。さらに、技術を熟知した人材が必要となるため、導入に対する全体的なコストは、従来のプロジェクトよりもはるかに高額になりえる
  • エッジの導入と運用を効果的かつ成功させるためには、適切な地理的位置を選択することが重要である。顧客基盤の変化や新しいソリューションの導入に伴い、パーソナライズされたエクスペリエンスを提供するためにロケーションが重要となる。そのため、将来の拡張に適したロケーションを選択することは非常に大切である

データはどのように役立つのか?

組織がエッジ戦略を成功させるためには、強力なデータ戦略が必要となる。その上で、データのサイロ化を解決する必要が出てくるが、導入自体がバラバラになってしまう事実は認識する必要がある。

そのため、冗長性を排除し、盲点をなくすデータ戦略の設計を施しながら、特に顧客体験の全体像を確実に把握するために、異種データを統合する統一的なデータ統合戦略を持つことが最も重要なことと言える。

エッジのニーズに合ったデータ戦略を構築するため、主な検討事項を見てみよう

1) 最適化とガバナンス:エッジソリューションの導入は、ほとんどの組織では複数部門にまたがる活動となる。人員、導入時期、ポリシーの調整を図り、重複、手作業、虚偽の表示を排除するためには、データガバナンスのフレームワークが必要不可欠となる。さまざまなデータソース、その構造、頻度をしっかりと理解することは、戦略を導き出す上で非常に重要と言える。そのため、チームは展開されるデータ戦略が、ビジネス戦略とエッジソリューションのニーズの両方をサポートし、維持するものであることを確認する。

2) データモデリング:データモデリングは、エッジ導入に特化したデータ戦略を定義する上で最も重要なステップとなる。さまざまなデータソースとそれらの相互依存関係を視覚的に表現するプロセスでもある。このプロセスでは、数々のデータソースからデータ統合を定義し、シームレスな方法で行われるように異種データを処理することも含まれる。さらに、リアルタイム分析が必要な場合は、データモデリングを適切に更新し、データパイプラインからのフローを常に把握する。地理的位置やネットワーク要素から大量のデータが生成されるエッジ展開モデルでは、各ソースからのデータの構造を考慮し、二重カウントを避けるために「重複」を適切に排除するよう注意しなければならない。さらに、盲点を避けるために、すべてのソースを評価する。

3) データのビジネスビュー: ビジネスアナリティクスツールが提供する可視化技術を利用することで、データを分かりやすく表現し、全体的なKPIに容易にマッピングすることができる。さらに、「What If」分析により予測分析を行うことで、ビジネスオーナーは現在のデータに基づいて適切な意思決定を行うことができるようになる。

エッジの導入は、すべての次世代テクノロジーのバックボーンになると期待されている。しかし、ロールアウトには多くの複雑な問題があり、ベストプラクティスに従わなければ、企業は圧倒的なコストと顧客満足度の低下に悩まされる可能性があるが、ビジネスとデータ分析の方法論とデータ統合テクノロジーを組み合わせることで、企業はエッジソリューションをコアビジネス機能と連携させ、世界のどこにいても一貫した素晴らしい顧客体験を提供することができるだろう

データドリブン経営の「本質」を明らかにする書籍が登場!

弊社のトップコンサルタント「データドリブン経営の不都合な真実」が東洋経済新報社から発売しました。

※ Qlik、QlikViewQlik Sense、QlikTechは、QlikTech International ABの商標または登録商標です。
※ その他の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
※ 記事の内容は記事公開時点での情報です。閲覧頂いた時点では異なる可能性がございます。