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鈴鹿サーキットでのSUPER GT 公式テスト

公開日 2017年7月12日    最終更新日 2020年3月12日

鈴鹿サーキットでの公式テストに同行

2017年6月30日~2017年7月1日に鈴鹿サーキットにて、SUPER GT 公式テストが開催されました。弊社のレース分析チームはテスト2日目の7月1日に同行しました。

三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットはF1やオートバイの8時間耐久レース等、数々の国際タイトルレースが開催され、世界的にも有名なサーキットです。一周5kmを超えるロングコースにバランス良く高速、中速、低速コーナーが配置され、全てがテクニカルコーナーと言える上にコース幅が狭く、4輪レースでは抜きどころが難しいテクニカルコースです。
SUPER GTシリーズ第6戦はここ鈴鹿サーキットで開催されますが、このレースの別タイトルとして「鈴鹿1000km」と言われており、このレースの見どころは「1000km耐久レース」となります。
通常、SUPER GTシリーズは2時間前後の戦いとなりますが、鈴鹿サーキットのみ走行距離1000km、6時間にも渡る厳しい戦いとなります。
この鈴鹿1000kmは1983年から開催されている歴史あるシリーズですが今年2017年で最後となり、2018年からは新たに「鈴鹿10時間耐久」として生まれ変わるそうです。

この歴史あるレースの最後の年に、レース分析活動を通じて関わることができるのは感慨深い物があります。

現地に行ってみると、テスト走行日なのにかなりの観客数でした。
さらに、今年の鈴鹿1000kmは、元F1チャンピオンのジェンソン・バトン氏がスポット参戦する事が発表され、テスト走行ではバトン氏がハンドルを握るなど、ピット前には大勢のファンが詰めかけていました。
偶然にもAudi Team Hitotsuyamaは隣のピットだったため、メンバーもほんの一瞬だけバトン氏を見る事ができました!ラッキー!

さて、当日の天気予報は雨、日中は曇り時々晴れで、雨を覚悟していたのですが、実際は朝から快晴、日中も時々曇るものの、ほとんど晴天で、初夏を感じさせる一日となりました。メンバー一同、一日ですっかり日焼けしてしまいました。まだ気温はそれ程高くありませんでしたが、これから夏本番、サーキット活動にも十分な熱中症対策が必要になりそうです。

Audi Team Hitotsuyamaとのミーティングで大きな収穫が

さて、前回のブログから時間が空いてしまいましたが、弊社のレース分析は続いています。岡山国際サーキットの第一戦に続き、第2戦の富士スピードウェイにも同行し、データ収集と調査は継続しています。

今回の目的はAudi Team Hitotsuyamaのエンジニア様とのミーティングです。これまでのデータ収集で大きな方向性は決まっていたのですが、課題を深堀するにあたり、まずは現場の声を聴く必要があると判断しました。

レースの予選、本選はチームの方は分刻みのスケジュールでタスクをこなされており、なかなか現場でミーティングの時間が設定できなかったのですが、今回は公式テストの為多少余裕があり、お時間を頂く事ができました。
ミーティングで確認した内容は、大体以下の通りです。
1) これまで収集したデータで作成したダッシュボードのプロトタイプお披露目
2) 実際のレースで重要となるセッティング箇所
3) ベストセッティングを決めにくいセッティング項目

まずはダッシュボードのお披露目です。これまで収集したデータを活用し、一つのダッシュボード画面に集約しました。自チームのみならず、他チームとの比較を含めて視覚的イメージで操作できるものです。Audi Team Hitotsuyamaでもレースの振り返り分析を実施する時にこれまでもデータを活用されていたそうですが、表計算ソフト等を使って手作業で加工していた部分が多く、手間のかかる作業だった様です。これがダッシュボードで自動化される為、なかなかの好感触でした。ここは最も弊社の得意分野であり、面目躍如と言ったところです。ダッシュボードの機能についていくつかアドバイスを頂きましたので、今後もブラッシュアップしていきます。

続いて、車体についてどのようなセッティング項目が有るか伺いました。セッティング項目自体はある程度予想していたのですが、実際のセッティング項目は多岐に渡る物でした。その中で重要ではあるものの、ベストセッティングを決めにくい項目をヒアリングしていきました。ここも意外な答えが返ってきました。どの項目かはここでは書けませんが、重要なのにデータ化が難しく、セッティングを煮詰めるには現状ドライバーのフィーリング、フィードバックに頼るしかないとの事でした。確かに今まで頂いたデータにはそのものズバリの項目は無いのですが、他の項目などから値を探っていく事はできそうです。設定項目がレース展開に及ぼす影響をいかにデータから見つけ出すかが私たちグランバレイの腕の見せ所となります。

レース分析も業務によるデータ分析もお客様へのコミュニケーションと歩調合せが大切

弊社が行っているデータ分析業務でも、現場のお客様と適宜コミュニケーションを取り、歩調を合わせていく事は非常に重要です。今回は公式テストの合間の短い時間のミーティングでしたが、現場ならではの声を伺う事ができ、大きな収穫がありました。今後はレーススケジュール外の日程で定期的な打ち合わせを実施頂けることになりました。今後はより、Audi Team Hitotsuyamaに寄り沿う形でレース分析を継続していきます。

Audi Team Hitotsuyama
http://hitotsuyamaracing.net/