SASとは
SASとは SAS Institute Inc. (以下 SAS 社)が提供するアナリティクス・ソフトウェアの製品群の総称です。1976年に米国ノースカロライナ州で設立された SAS 社は40年近い歴史と実績を有しています。現在 SAS ユーザーは世界で 75,000 の顧客サイトに上るほか、2014 「FORTUNE Global 500®」上位 100 社のうち、93 社が SAS のユーザーとなっており、その製品の品質もガートナー社の 2014 年版「 Magic Quadrant 」で証明されています。また SAS 社は、米フォーチュン誌の 2015 年版の「最も働きやすいアメリカ企業100選」で第 4 位を獲得、米国 Great Place to Work® Institute が 2015 年に発表した「働きがいのあるグローバル企業」の世界ランキングで第 2 位に選出されていることでも知られています。
SAS の構成
SAS 9.4は、大きく4つの製品群で提供されています。
- Reporting
- Analytics
- Data Management
- Business Solutions
SAS University Edition の評価
今回は、SAS University Edition について、評価及び検証していきます。
SAS University Edition 紹介
SAS University Edition を用いることで統計・解析を学ぶユーザのためにいくつかの SAS 製品を無償で利用できます。扱える SAS 製品は以下の5つです。
- Base SAS
- SAS/STAT*
- SAS/IML*
- SAS Studio
- SAS/ACCESS
また、SAS University Edition はダウンロード版とクラウド版があります。ダウンロード版につきましては一度ダウンロードした後は、ローカル上で動作しインターネットへの接続は必要ありません。一方で、クラウド版につきましては AWS Marketplace 上で利用するため、SAS University Edition のライセンスは無料ですが AWS の使用料は必要です。つきましては、ニーズに合わせて使い分けることができます。
SAS University Edition の対象ユーザー
対象としているユーザは大学生や大学院生だけでなく、教員、社会人、高校生、研究者問わず、統計分析や SAS を学びたいあらゆるユーザを対象としています。また非営利目的であれば研究目的に使用することも可能です。
SAS Analytics U とは
SAS University Edition の知見を深めるためのサービスとして SAS Analytics U があります。SAS Analytics U では SAS ユーザーがチャット、サポート、入門ビデオ等を利用できるコミュニティを提供しています。利用方法は簡単で、SAS の画面から、
サポートを選択すれば利用することができます。
こんな方にお勧め
気軽に分析を学びたい人向けには、個人の学習や非営利の目的における研究用途での使用に限って無償版で使える SAS University Edition でまず試してみることをおすすめします。
では、実際に操作しながら、SAS について分析及び評価を行っています。今回も下記のデータの広告費と来客数の 2 つの変数の相関関係を、単回帰分析を用いて調べてみます。
※操作にあたっては、SAS University Edition を使用します。その場合、画面は SAS Studio 経由となりますが、今回は SAS プログラマモードで検証を行っています。
SAS の操作画面
まずは、Microsoft Excel ファイルをSASに取り込みます。
Microsoft Excel ファイルの取り込みには、IMPORT プロシージャを使用します。
命令を入力した後、実行ボタンを押下して、Microsoft Excel が取り込まれているかを確認します。
続いて、取り込んだデータに対して回帰分析を行います。
回帰分析には、REG プロシージャを使用します。従属変数とて va2 (来客数)を、独立変数として var1 (広告費)を指定します。
実行ボタンを押下します。
下記の結果が出力されました。
SAS Studio には、ビジュアルプログラマモードも提供されており、同様の分析を行う事ができます。こちらは、マウスのみで分析結果を得る事ができます。
最後に
SAS では、標準で用意されているプロシージャを使用すれば、簡単な命令の入力のみで分析結果を得る事ができる事がわかりました。SAS は、統計分析の信頼性の高さから、公共機関や研究機関、教育機関で幅広く使用されてきました。しかし、個人レベルで統計解析を行うには価格面で大きな壁がありました。今回使用した SAS University Edition の登場で、個人がより身近にSASを利用して統計分析を学んだり、非営利の研究のための分析に無償で SAS を使用できるようになりました。
SAS University Edition についての詳細:
http://www.sas.com/ja_jp/software/university-edition.html
SAS の詳しい情報は、SAS Institute Japan 株式会社の SAS 製品ページをご覧ください。
※ SAS とその他の製品は米国とその他の国における米国 SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。
※ Microsoft、MS、Windows、Windows Server、Excel、AccessおよびPowerPointは、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
※ その他の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
※ 記事の内容は記事公開時点での情報です。閲覧頂いた時点では異なる可能性がございます。
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