今回、SAPのデータディスカバリ・セルフサービスBIツールである、SAP Lumira 2.0をご紹介します。
SAP Lumira 2.0概要
SAP Lumiraは2013年にリリースしたデータディスカバリ・セルフサービスBIツールで、ビジネスユーザーがIT部門の助けを借りずに分析機能を利用することを目的としたソリューションであり、今夏、新バージョンであるSAP Lumira 2.0がリリースされる予定です。
新バージョンでは、従来のDiscoveryの自由分析の機能が大幅に強化されたほか、ダッシュボード開発ツールであるSAP Design Studioと同等の機能をもつDesignerが追加され、1つの製品でありながら2つのUIを持つ構成となります。(従来のDesign Studioのサポートがなくなるわけではありません。)また、クライアントとしてWebブラウザベースのUIも提供される予定です。
Discovery機能とDesignerの機能
SAP LumiraのDiscoveryツールはもともと従来のバージョンに実装されていたもので、ビジネスアナリトなどの分析ニーズの高いユーザを対象としたデータディスカバリー/ビジュアライゼーションツールです。そして、新バージョンで追加されるDesignerの機能はIT部門担当者、ITスキルの高いビジネスユーザーによるダッシュボード開発を前提としています。SAP Lumira 2.0は、この二つのツールの相互運用性を高め、同じフォーマットのドキュメントを共有して開発できるようにした新しい製品となります。
SAP BW/4HANA、S4/HANAとの親和性
SAP社は次世代のDWHであるBW/4HANAのクライアントとしてもSAP Lumira 2.0を推奨しています。従来製品よりも優先的にBW/4HANAとの互換性を向上させる対応が進んでいるようです。Lumira以外では、Analysis for OfficeやBO CloudもBW/4HANAのクライアントとして推奨されています。また、SAP Lumira 2.0はSAP社の第四世代のERPであるS4/HANAのデータモデルにもアクセスできるようになりそうです。
モバイルへの対応
SAP Lumira 2.0には、デバイスによって自動的にスクリーンサイズを調整する機能が追加される予定です。この機能によって、デスクトップPC、タブレット、スマートフォンなどから洗練されたデザインのレポートをより快適に利用できるようになりそうです。
Lumira1.Xから2.0へのアップグレード
・Design Studio 1.6からLumira 2.0へUpdateする場合、互換モードで従来のフォーマットのまま利用する方法と、Lumira 2.0のフォーマットに変換をかける方法があります。従来のフォーマットのまま利用する場合は、Discoveryとの相互運用はできません。Lumira 1.31からLumira 2.0へUpdateする場合は、互換モードが使えないため、フォーマットの変換が必要で、うまくいかない場合は修正作業が必要になります。ご注意ください。
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