初めに
Qlik Sense® は2015 年 9月 16日に Qlik Sense 2.0 から Qlik Sense 2.1 にフィーチャ・リリースされました。フィーチャ・リリースは、メジャーバーション製品に対し新機能を追加して、いち早く最新の機能をご利用頂くリリースとなります。
弊社ではこの新しい Qlik Sense 2.1 のリリース内容について、本記事で取り上げてみます。
なお、「Qlik Sense って何?」など Qlik Sense を初めてご覧のいただく方は、まずは、別記事「Qlik® Sense 2.0 」をご覧ください。Qlik Sense の概要をまとめております。
前回、メジャーバージョンアップである Qlik Sense 2.0 のリリースは 2015 年 6 月末でしたので、たった 2か月半でのフィーチャ・リリースとなり、新機能が追加されることになりました。
このようなリリースの頻度の高さからも、Qlik 社がどれだけこの製品に力を入れているか伺うことができます。
今回の Qlik Sense 2.1 を検証した感想として、非常に便利になった印象です。
これは、エンドユーザーの意見を Qlik 社の前向きな姿勢が確実に製品に反映するため、今後、さらにリリースが増えていけば、BIツールとして、おもしろい製品になると感じました。
Qlik Sense 2.1 の新機能
それでは今回のリリースで追加された新機能の中、特に注目するべき機能を中心にご紹介いたします。
- 変数設定機能の追加
- 「ストーリー」の Microsoft PowerPoint との連携機能の追加
- 編集画面以外での簡単な編集機能の追加
- Qlik Dev Hub の追加
変数設定機能の追加
Qlik 社製品の別の BI ツール「QlikView®」では、様々な局面で何かと重宝された「変数」ですが、今回のリリースで新しく Qlik Sense にも追加されました。
変数は、値や数式を自由に定義することができます。
今までも「マスターアイテム」からユーザーが定義した数式を作ることができましたが、あくまでも使用できる範囲はメジャーのみでした。
しかし、今回から新たに数式が適用できる箇所が拡大し、変数作成のインターフェースが用意されたことで、大幅に使い勝手が向上しました。
以下は QlikSence 2.1 の編集モードの画面ですが、赤枠に新たなアイコンが追加されました。
(個人的には下の黒いバーがスカスカなので今後も何か増えるのではと想像しています。。。)
クリックすると変数一覧画面が開くので「新規作成」をクリックします。
「名前」には変数名を「定義」には数式を入力します。
「説明」や「タグ」が必要に応じて入力します。
「定義」の右下の f(x) をクリックすると数式編集画面になるので数式を入力します。
今回は RGB 関数で色を指定しました。
現在のグラフは以下のような青色です。
この状態で右側のグラフの設定から
「スタイル」→「色と凡例」→自動を解除→「単色」を「数式を使用」に変更します。
数式の入力エリアに $(変数名) の形で使用する変数名を入力します。
するとグラフの色が以下のように変化しました。
ちなみにわざわざ変数を設定しなくても、直接数式エリアに同じ数式を入力すると同様に変化しますが、変数を設定することで $(変数名)の形で入力できるようになります。
さらに、もし数式を変更する場合は、元の変数を変えると、自動的に変化が適用されるので何かと便利です。
他にも変数は色々な場面で活用できるので積極的に使ってみてください!
「ストーリー」の Microsoft PowerPoint との連携機能の追加
Qlik Sense 2.1で標準で搭載されている、「ストーリー」から、新たに作成したスライドをMicrosoft PowerPoint形式のファイルとしてエクスポート(書き出し)できるようになりました。
Microsoft PowerPoint 形式にすることで、Microsoft Office に標準に搭載されている Microsoft PowerPoint を利用して、誰でも見ることができるようになるので、社内外にプレゼンテーションを行う方や、報告書として作成する方には、非常に便利になります。
以下キャプチャ画面のとおり
「メニュー」から「ストーリーを PowerPoint にエクスポート」をクリック
Microsoft PowerPoint の設定画面になるので、確認をし問題なければ「エクスポート」をクリック
成功すると以下のようなメッセージがでるのでクリック
すると以下のように Microsoft PowerPoint のスライドが自動的にできました。
この非常に便利な機能ですが、少々互換性に課題を持っております。
たとえば、スライドのサイズが変更されると位置がずれてしまったり、埋め込みシートをエクスポートすると白紙になってしまったり、透過の設定が破棄されたり...と改善点が見つかっております。
また、クライアンPCのスペックにも依存しますが、メモリの消費量が急激に上がる点も気になりました。
この互換性の回避は、利用状況により、直接 Qlik Senseの画面をキャプチャして Microsoft PowerPoint へ張り付けた方が効率的かもしれません。
このように互換性の課題はありますが、今後のリリースで改善されることを考えると、やはり Microsoft PowerPoint との連携は、使っている方には非常に有効です。
編集画面以外での簡単な編集機能の追加
従来はチャートの編集の際は、編集モードの画面を切り替える必要がありましたが、
今回から編集モードに変更せずに、直接、色やソートの変更ができるようになりました。
チャートで右クリックすると、以下のような新しいアイコンが表示されるようになりました。
拡大してみました。こちらも円周上にまだまだスペースがあるので、これからの新機能の追加を予感せずにはいられません。
クリックすると右に設定画面が表示されるのでここから色、ソート順そして、プレゼンテーションの変更ができます。
一通り変更するとまるで別のグラフのようになりました。
簡単な編集しかできませんが、わざわざ編集モードに変更しない点は、ユーザービリティの観点から、改善されました。
Qlik Dev Hub の追加
新たに Qlik Dev Hub が追加されました。
今までの Qlik Sense ワークベンチが Developer Hub として刷新されたことでマッシュアップやエクステンションの作成・編集画面が1つのインターフェースに統合され、使いやすさが格段と向上しました。
Qlik Sense Desktop ハブから「Qlik Dev Hub」をクリック
するとブラウザが立ち上がり以下のような画面になります。
このページからマッシュアップやエクステンションの開発、編集ができるようになります。
すでに開発したりダウンロードしたマッシュアップやエクステンションは、中央のエリアに表示されます。
既存のものをクリックすると、以下のようなメニューが表示されますので
プレビューしたり、編集したり、複製したり、削除したりすることが可能です。
左から開発画面へ移ることができます。
開発画面は基本的にクライアントツールの Qlik Sense と同じような構図です。
まとめ
以上注目した新機能についてご紹介いたしました。
新機能について多少粗削りな印象も感じましたが間違いなく便利になりました。
今後のリリースにも期待です。
「インターフェース」と「機能」のどちらもが絶妙なバランスで進化しております。
“Sense”の言葉の通り、”感覚”的な操作性がこの製品のウリです。
他社を含め、どの BI ツールにも、製品の特長として”直観的な操作性”という言葉が必ずと言っていいほど使われています。
その中でも、Qlik Sense は、真の”直観的な操作”が可能な BI ツールです。
次回のリリースの際にも、いちはやく皆様に最新情報をお伝えします。お楽しみに。
なお、Qlik Community には、新機能紹介の動画もございます。英語に堪能な方は下記リンク先からご覧いただいくことをお勧めいたします。
https://community.qlik.com/docs/DOC-6932
また、Qlik® 社のホームページに、Qlik Sense 2.1 の新機能の記事もございますので合わせてご覧ください。
https://help.qlik.com/sense/2.1/ja-JP/online/#WhatsNew/What-is-new-21.htm
※ Qlik、QlikView、Qlik Sense、NPrinting、QlikTech は、QlikTech International AB の商標または登録商標です。
※ Microsoft、MS、Windows、Windows Server、Excel、AccessおよびPowerPointは、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
※ Windows の正式名称は、Microsoft Windows Operating System です。
※ その他の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
※ 記事の内容は記事公開時点での情報です。閲覧頂いた時点では異なる可能性がございます。
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