前回の Qlik® Sense 3.1の記事でも取り上げましたが、今回は地理データ・プロファイリングとユーザーエクスペリエンスの向上について更に詳しく、これまでとの違いについて迫ってみました。
地理データ・プロファイリング
今回のバージョンアップにより、データに国名や都市名が含まれている場合、自動的に位置情報が生成され、元のデータに付加した形で取り込みが行われます。「データマネージャー・ビュー」でテーブル一覧を確認すると、位置情報が付加されたテーブルには地球のようなアイコンが付いており、カーソルを合わせる下図のようなメッセージが表示されます。
実際のテーブル内容を表示したものが下の図です。
「【位置情報生成に使用したテーブル名・項目名】 + “_GeoInfo”」という名前で項目が生成されていることが分かります。
国の位置情報(ポリゴンデータの元情報)は自動的に作成されています。しかしながら、都市の位置情報が作成されていない(下図の2レコード目と3レコード目)ものもあり、現状ではユーザーがデータを用意する必要があります。ただし、今後のバージョンアップで改善されることでしょう。
少し技術的な話になりますが、今回のバージョンアップに伴い、どのような仕組みで位置情報の取得を実現しているのか見てみたいと思います。こちらは、データを取り込んだ際に自動で生成される情報(「データ・ロード・スクリプト」と呼びます)です。
この「データ・ロード・スクリプト」を読み解いてみると、「countryAliases.qvd」という名前のファイルから必要な情報を取得しているようです。更に調べたところ、ファイルは下図の場所に格納されていることが分かりました。Qlik Sense 3.1をインストールした際にこれらのファイルが作成されるようです。
毎回、上図の場所から地理情報・位置情報に関するデータを読み込むようになっているため、今後Qlik Senseのバージョンアップにあわせてファイルが最新データに更新されていくかもしれません。
ユーザーエクスペリエンスの向上
今回の新機能の中で、個人的に一番うれしかった機能が「チャート枠線を付加するアプリ・テーマの追加」です。Qlik Senseの基本機能としてシート上にレポートを配置すると、ディスプレイの大きさに応じてチャートが自動的にサイズ調整されるようになっています。それにより、どのチャートをどこに配置するのかを大まかに指定するだけで簡単にレポートのデザインができるのですが、チャートに枠線がないために、配置する数が多くなってくると、チャート同士の境界が分かりづらくなることがあり、チャート同士の間隔を広げたり、狭めたりといった微調整が必要でした。
今回Qlik Sense 3.1 で追加されたアプリ・テーマを使用することで、下図のようにチャートに枠線が設定されます。
アプリ・テーマの変更手順
アプリ・テーマを変更する方法ですが、画面左上のレポートタイトル右横にあるアイコンをクリックします。
すると、レポート概要が表示されます。
表示されたレポート概要の右端に歯車のようなアイコンがあるのでこれをクリックします。
表示されたメニューの中に「アプリのテーマ」があります。
初期設定は「Qlik-クラシック」に設定されており、以前までのバージョンと同じテーマになっています。テーマを変更するには、このプルダウンをクリックします。
プルダウンが一覧表示されますので、「Qlik-標準」を選択します。
表示されているメニューは再度レポートタイトル右横のアイコンをクリックすると閉じます。
下図の作成されたダッシュボードをご覧ください。
チャート枠線が設定されたのが確認できます。好みや見やすさを考慮して、チャートの配置を編集してください。
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