Oracle® Business Intelligence 12c(最新バージョン:以下、Oracle BI)は、データベース管理ソフトウェアで製品であるOracle Databaseの開発ベンダーで有名な Oracle 社から提供されているエンタープライズ BI製品です。昨今のBI業界の潮流に合わせたセルフサービス型 BI である Oracle BI Cloud Service のサービス提供といったような次への展開も見せ始めています。
Oracle® Business Intelligence のシステム構成について
Oracle Business Intelligence のサービスを利用するには、Oracle® Business Intelligence 用のサーバーを構成する必要があります。レポート作成に関しては、各ユーザーのブラウザで開発・参照が可能ですので、特別なクライアントソフトのセットアップ作業は不要です。ただし、レポート作成時のデータソース定義(以下、サブジェクトエリア)を作成する開発ユーザーは、クライアントマシンに開発用の管理ツール ( BI Administrator) のインストールが必要となります。
Oracle BI の強み
Oracle BI の強み その1 - 導入規模に合わせた製品構成 -
Oracle Business Intelligence の機能を使いたいが、利用ユーザー数や導入にかけられる費用がエンタープライズ BI 製品を導入できるほど余裕がないというお客様に関しては、機能面はそのままに小規模利用/スモールスタートに適したパッケージである Oracle Business Intelligence Standard Edition One という製品パッケージも用意されており、お客様に適した柔軟な使い方が可能です。
Oracle BI の強み その2 - セルフサービス型BIにも対応 -
今までの Oracle BI は、主にオンプレミスのエンタープライズ型 BI のサービスを提供してきましたが、Oracle 社が進めているクラウドを活用したセルフサービス型 BI にも対応し、サービスを提供しています。エンドユーザーは、Oracle BI Cloud Service にログイン後、エンドユーザー自らクラウド上に、データをアップロードし、すぐに分析を開始することができるので、従来のオンプレミス型の課題であったシステム開発の柔軟性の低さを解決します。
BIシステムの新規導入をお考えのお客様は、Oracle BI Cloud Service でセルフサービス型BIを導入することで、低コストでかつ容易にシステム導入することが可能となり、オンプレミスの Oracle BI と BI Cloud Service は、同様のアーキテクチャーでサービス提供がされているので、オンプレミスから Oracle BI Cloud Service への可搬性にも優れており、既存のオンプレミスで Oracle BI を導入済のお客様も Oracle BI Cloud Service への情報統合が可能となります。
また、セルフサービス型 BI のツールとして、Visual Analyzer が提供されています。Visual Analyzer は、12c からオンプレミスでもクラウドでもご利用が可能となります。Visual Analyzer は、インタラクティブなグラフ表示によるデータ探索を実現し、リポジトリで構築されたエンタープライズなデータソースとエンドユーザーのローカルのデータの融合を可能にし、グラフ作成に関しては、ユーザーは軸とメジャーを選択するだけで最適なグラフを自動選択してくれます。
次の章では、各機能もご紹介いたしますが、Visual Analyzer の Oracle BI 内での役割を下記に記載します。
Oracle BI の強み その3 - BI に必要なすべての機能が統合されている -
以下から、具体的にオンプレミス版の Oracle Business Intelligence の操作について、画面キャプチャーを交えながら、ご説明いたします。Oracle Business Intelligence は、BI に必要なあらゆる機能すべてが統合されたビジネス・インテリジェンス・プラットフォームであるという点が強みです。今回は、その中から基本的な機能であるダッシュボード機能、非定型(自由)分析機能にフォーカスをしてご紹介いたします。
ダッシュボード機能:Oracle BI Interactive Dashboard
最初に、ダッシュボードを開くと、デフォルトの検索条件(以下、ダッシュボード・プロンプト)で実行され、検索結果が表示されます。その後、必要に応じて、ダッシュボードプロンプトの値を変更して再度検索の実行やダッシュボード内のスライダー等を操作して、参照したいデータを表示させます。
非定型(自由)分析機能:Oracle BI Answers
もうひとつの代表的な機能である非定型(自由)分析機能についての操作イメージをご紹介したいと思います。まずは、[新規]から[分析]を選択し、分析対象のサブジェクトエリアを選択します。
サブジェクトエリアを選択すると、クエリを定義する画面に遷移しますので、[選択された列]の欄に抽出した項目、[フィルタ]欄に必要に応じてデータの絞り込み条件を設定します。
データを抽出する条件が整いましたら、[結果]タブを選択し、画面を遷移させます。
[結果]タブへ遷移することで、データベースへの検索が実行されます。
その後、必要に応じて抽出項目の追加・削除やデータの絞り込み条件の変更などを繰り返しながら、参照したいデータを抽出していきます。またデフォルトでは、表形式で表示されますが、下図のような豊富なコンポーネントが用意されていますので、様々な角度でデータを参照することができます。
その他、帳票出力・配信機能、KPI、スコアカード、地図連携、モバイル対応等、BI のニーズに対応した機能が備えられており、全社分析基盤としての役割を担うことのできる製品です。
Oracle Business Intelligence のウイークポイントは?
Oracle Business Intelligence は、ダッシュボード機能、自由分析機能、KPI、レポート配信等の BI の各種機能を備えていますが、自由分析機能において、行×列数が大きくなるような粒度の細かいデータの表示に難点があります。いわゆる軸が多くなるような検索を行うと、ブラウザ上でのデータの描画に時間を要するため、データ取得後のブラウザの動作が非常に重くなってしまい、また操作にストレスを感じることもあるかもしれません。しかし、このような要件を実現する際は、レポート個別に1ページあたりの表示行数を制限してページングする設定を行うことで、定型レポート化することでストレスなくレポートの操作が可能になります。
Oracle® Business Intelligence に関する詳細な情報は、日本オラクル株式会社の製品ページをご覧ください。
https://www.oracle.com/jp/business-analytics/
※ OracleとJavaは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
※ その他の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
※ 記事の内容は記事公開時点での情報です。閲覧頂いた時点では異なる可能性がございます。
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