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IoTを分解してみる。その1- センサ編 前編

公開日 2016年12月12日    最終更新日 2020年3月12日

はじめに

IoTという言葉がニュースに毎日のように登場しますが、
「そもそもIoTとは一体なんなのか・・・」
「Internet of Things という言葉は覚えたけど、
結局裏側でシステム的に何をしているのか・・・」
そんな疑問にお応えすべく、
IoTの仕組みを構成する技術についてご紹介いたします。

まず、IoTを簡単に説明するならば、

1) センサで計測し
2) 計測した値をコンピューターで処理し
3) 無線LANなどのネットワークを介して
4) データベースに送る

という流れです。

4) のデータベースに送った後は、
人工知能を利用し分析をしたり、
他の機械と連動して制御したりするのが、
主なIoTのゴールです。

そこで本連載では先述の1)~4)について、ひとつずつ解説いたします。

センサ

世の中にはさまざまな「センサ」と呼ばれるものがあります。
このセンサが共通して行っていることは、
自然現象や物理的な情報を人間や機械がわかりやすいように変換することです。

難しく書きましたが、
例えば温度センサは金属が熱によって、
電気抵抗値が変化するという法則を応用しています。

ここからは以下の代表的なセンサの仕組みを順にご紹介しますが
今回はそのうち、1~4までをご紹介いたします。

1. 温度センサ
2. 湿度センサ
3. 圧力センサ
4. ジャイロセンサ
5. 画像センサ
6. 光センサ
7. 加速度センサ
8. 地磁気センサ
9. GPS

1. 温度センサ

モノの温度を測るためのセンサです。
機械のオーバーヒートや故障を事前検知するためには、
このセンサが必須といっても過言ではありません。
温度センサの仕組みは大きく2つあり、
1つは「熱電対」という仕組みを利用したもの、
もう1つは先述の「測温抵抗体」という仕組みを利用したものです。

1-1 熱電対
異なる2種類の金属の線を互いにつないだ回路を作り、
2つの接点に温度差を加えることで、電圧が生じることを利用したセンサです。
温度差によって生じる電圧が異なるため、
予め片方の温度を固定しておくことで他方の温度が検知可能になります。

温度センサー

1-2 測温抵抗体
測温抵抗体は金属の電気抵抗が温度によって変化する性質を利用したセンサです。
オームの法則V(電圧) = 抵抗(Ω)×電流(A) にもとづき、
間接的に電圧の変化で温度の変化を計測することが可能です。

2. 湿度センサ

モノの湿度を計測するためのセンサです。
例えば土の乾燥具合をこのセンサで計測すれば、
水やりの自動化につなげることができます。
仕組みとしては、電極間に間湿性のある、
高分子性の膜を挟んだ装置です。
この高分子膜が湿度によって誘電率が変化する原理を利用し、
湿度の変化を計測しています。

湿度センサ

3. 圧力センサ

圧力や重さをはかるためのセンサです。
体重計などにも利用されております。
半導体の電気抵抗率が加わる力によって変化する、
ピエゾ抵抗効果を利用した“ひずみゲージ”と呼ばれるものを
用いた力学的なセンサです。

4. ジャイロセンサ

角速度を計測するためのセンサです。
角速度とは角度の変化、
回転の変化を計測するためのセンサです。
スマートフォンの画面が向きに応じて最適化されるのも、
このセンサが機能しているからです。
仕組みとしては、移動している質量に回転を加えたときに、
移動方向と垂直方向に発生するコリオリの力の原理を利用しています。

このコリオリの力を計測することで角速度を検出しています。

ジャイロセンサ

いかがでしたでしょうか?
次回も、引き続き センサの後編をお届けします。