「オールインワン」「データ加工が得意」のQlik製品。そこに魅力がある
インタビュアー「多くのクライアントに対しQlik製品を使って経営管理ソリューションを提供していますが、その理由を教えてください」
担当コンサルタント「私自身、いろんなBIツールを使って意思決定を支援するシステムや仕組みを作ってきました。従来型のBIツール製品は、データを貯めるデータウエアハウス(DWH)、データを取り込むための機能であるETLを別途導入し、これらの製品群ごとにデータ加工をしなければなりません。その点で、データウエアハウス(DWH)やETL、そしてダッシュボードなどに可視化を行うビジュアライズ機能を全て備えたオールインワン製品のQlik製品は、これだけでシステム構築ができます。また、他社製品と比べて『データ加工』の機能が非常に優れており、さらにダッシュボード構築も比較的容易であるため、データ分析を重視するクライアントにとって魅力がある製品と言えます」
インタビュアー「データ加工をしなければならないケースとは何でしょうか?」
担当コンサルタント「業務で格納されているデータを使いBIツールで分析する際、データの持ち方が違う場合があり、その時にデータ加工が必要となります。多くの場合、計算をして新たに値を作ることや、名寄せ、重複値の排除、分割などのデータ補正などする場合に、データ加工が必要となります」
「属人化したExcel作業の自動化」「業務部門のセルフサービス分析」が導入のきっかけ
インタビュアー「なるほど。どのような理由でQlik製品を導入されているのでしょうか?」
担当コンサルタント「Qlik製品のプロジェクトを見返すと、部署ごとでの業務活用が最も多いです。例えば、経理部門での会計データの可視化、経営企画部門での経営層に対する報告業務の活用などです。その次に中小企業の経営管理へと続きます」
インタビュアー「やはり、経営や業務でのデータ分析に活用されているんですね」
担当コンサルタント「はい、そうです。業務では『属人化したExcel作業』の自動化と効率化を目的としている場合が多いですね。またセルフサービスで分析をしたいなどの業務ニーズに対応するため『従来型BI製品から乗り換え』られる企業も意外に多いです」
インタビュアー「業務の効率化を図る意味では『属人化したExcel作業の自動化』は大切ですね」
担当コンサルタント「どの企業でも業務でExcelを使って集計と分析をしていますが、データ容量が肥大化することでExcelの処理が遅くなったりエラーでアプリケーションが落ちやすくなるなど、業務に支障が出ることがあります。また、特定のExcel達人でしか保守できないExcel属人化や、Excelのバケツリレーによる人的ミスが発生するなど、Excel特有の課題が表面化します。これらの課題解決のために、Qlik製品を選んでいる企業があります。データの収集から加工、レポート表示まで一つの製品で自動的に処理・分析できるため、今までExcelにかかった時間を他の業務に充てることができるので、業務の生産性が高まります」
インタビュアー「確かに、属人化したExcel業務を解放するためにQlik製品を使うことは有益だと私も思います。業務のセルフサービスによるデータ分析は年々高まっていると思いますが…」
担当コンサルタント「はい、その通りです。デジタルトランスフォーメーションと言われる時代の中、誰でもが自社内のデータを活用するためのデータ分析基盤として、Qlik製品に乗り換えられています。特に、処理速度とセルフサービスBIのやりやすさが評価されています。
従来型BIツールは、億単位のレコード処理は非常に時間がかかり、時には処理ができないことがあります。また、新たなKPIに対応するダッシュボードを用意しようとしても、業務部門で変更することは難しく、IT部門にて開発を依頼しても数ヶ月かかるため、迅速性に欠けることになります。
その点、Qlik製品は、億単位のレコード処理も従来型BIと比較して早く処理できます。その上、新しいダッシュボードの開発も、開発ライセンスの用意と作り方を理解できていれば、担当者で行うことができるため、業務での早期活用が可能となります」
納期遅延の常態化。その原因は「製造工程の進捗が一元管理できていないこと」
インタビュアー「Qlik製品でのプロジェクト事例をお話しいただけますか?」
担当コンサルタント「今回お話ししたいのは、精密機器メーカーでの生産管理を可視化する『統合生産管理ダッシュボード』プロジェクトです」
インタビュアー「どのような課題を抱えていましたか?」
担当コンサルタント「納期遅延の常態化が課題でした。製造工程別にシステムが別れており、組織間の情報がバラバラで、製造工程の進捗が一元管理できていないことが問題でした。現場の状況が把握できておらず問題の発見遅れ、対策遅れが顕著であることが判明しました。そこで、現場情報の見える化と一元化を実現するためにQlik Senseによる統合生産管理ダッシュボードをご提案いたしました」
インタビュアー「なるほど」
担当コンサルタント「当初の依頼は常態化する遅延を改善するために『遅延を早く把握したい』ことでした。ヒアリングを進める中でクライアントは『遅延をしたくない。遅延が分かった時点では既に遅い』という考えがわかってきました。そこで私たちは『遅延をさせない』ためのダッシュボードとは何かを突き詰めた結果、『現在の工程進捗』『現在と未来の作業負荷』『過去の遅延実績』の3つのダッシュボードにたどり着きました」
「遅延をさせない」ための3つの重要なダッシュボードを開発
インタビュアー「その3つのダッシュボードについて詳しくお話していただけますか」
担当コンサルタント「『現在の工程進捗』ダッシュボードは、工程進捗を確認します。誰でも行程の進捗確認ができ、期日までの残日数を把握することで、遅延対策に役に立ちます。『現在と未来の作業負荷』ダッシュボードでは部署別の作業負荷による人員配置を可視化しました。可視化したことでリソース配分の最適化ができるようになります。そして、『過去の遅延実績』ダッシュボードでは、遅延頻度が高い部署や原因を特定します。要因の対策を行なった結果の把握が容易になり、PDCAサイクルが活性化しました。このダッシュボード群により、生産ラインの遅延が予測できるようになり、その結果、生産行程管理の精度が高くなり、納期遅延を改善しました」
成功要因は「お互いが信頼し一つの目標に突き進んだから」
インタビュアー「このプロジェクトで、苦労した点や工夫した点があれば教えてください」
担当コンサルタント「今回、弊社が提唱する見える化早期実現化手法『アイスバーグアプローチ』を利用し開発をしました。私たちは、この手法でダッシュボードのプロトタイプをQlik Senseで事前に作り、クライアントが求めている理想のダッシュボードに近いかをクライアントに確認しながら進めました。この手法を使うことで具体的なイメージが得られるため、『あれもできないか』『このKPIが欲しい』など、クライアントが理想とするダッシュボードの要望が出てきます。これらの要望は、私たちにとってうれしい悲鳴ですが、限られた時間と費用の中で、全ての要件を受け入れることはなかなかできません。そのため、私たちは、限られたリソース内に理想のダッシュボードを完成させるために、ダッシュボードを再定義したことです。それが苦労であり私たちの工夫でした。その結果が、先の3つのダッシュボードにつながっています」
インタビュアー「今回のプロジェクトで成功した要因は何だと思いますか?」
担当コンサルタント「改めて思うと、クライアントも私たちも、お互いに信頼しブレずに『納期遅延の改善』を一つの目標として突き進んだことだと感じています」
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